トップページ> 別館>昭和なスーパーめぐり>グルメシティ庄内店
グルメシティ庄内店
スーパーマーケット黎明期の1960年代前半、洋服屋、八百屋、布団屋など様々な所がスーパーへと進出していきました。
そんな中での主役はやっぱり中内功率いるダイエーでしょう。大阪の千林商店街の小さな薬局から始まったスーパーです。
三宮に総合スーパーの走りとなる三宮第一店を開店するなど流通業界を牽引していたダイエー。
そのダイエーが1964年、大阪の庄内にある実験的な店舗をオープンさせます。それが店舗番号0030、ダイエー庄内店。
2棟の建物からなりダイエーを核に専門店や銀行の入った大型ショッピングセンターの実験店舗でした。
※今回は写真多めなのでご注意。
今回の使用機材:FUJIFILM FinePix F550EXR
この歴史的な店舗、阪神大震災も乗り越え2012年1月31日まで現役で活躍していました。
ここのページは流通史に大きな影響を与えたであろうダイエー庄内店(グルメシティ庄内店)の記録です。
最寄り駅は阪急の庄内駅。ちなみに写真の電車は40年くらい前の古い車輛らしいです。手入れが良いのかとても綺麗でした。
元々アメリカで流行っていた大型ショッピングモールに中内さんが目をつけ日本でも流行らせようとしたのが始まりのようです。
その試験店舗として工場の跡地に新たにオープンとなった庄内店が選ばれました。
建物は地上5階建てで専門店の入る東館とダイエーの入る西館の2棟に分かれています。奥が西館、手前が東館。
ここには「庄内ショッパーズプラザ」という名前がついていました。(届け出上の正式名称は閉店まで庄内ショッパーズプラザでした)
その後も多数の大型店に引き継がれる「ショッパーズプラザ」の名称ですがここが初めてだと思われます。
入り口は奥まっています。中央は駐輪場になっていました。左が西館、右が東館です。
手前の入り口。
入り口近くまでやってきました。割と人も多く賑やか。24時間営業。
閉店の理由は売り上げ不振ではなく建物の老朽化ということのようです。最後まで残った店舗番号2桁店、閉店までダイエー最古参の現役店舗でした。
閉店売りつくし中。まもなく長い歴史に幕を下ろそうとしています。
入り口前。公式サイトの写真はここでした。赤い丸い取っ手のドアが残っています。
赤字な訳ではないので建て直して再出店するようです。
藤沢店がショッパーズプラザだったGMS(総合スーパー)のでかい店舗から2階建てのSSM(スーパー・スーパーマーケット)への転換1号店としてオープンしましたがここもそんな感じになるんでしょうか。
歴史を感じる大規模小売店舗プレート。
2005年に亡くなったダイエーの創業者中内功の名前がありますね。そして気になるのが「ブルーマウンテン」。
どうもこれは価格破壊をしたダイエーの最初の一歩でもあった衣料品につけられたブランドのようです。
いわゆるプライベートブランドの走り。しかしなんで設置者が3つなのでしょうか。なにか深い意味がありそうです。
店内へ。1階フロアは普段と変わらない様子で毎週恒例木曜の市もやっていました。
ノリノリの「モッくんの歌」がエンドレスで流れていますがもうすぐ閉店だと思うと最後の力を出しているようでなんとなく切なく感じます。
店内は改装されているのか思ったより綺麗でした。天井を這っている配管等には時代を感じますが。
そして相変わらず流れる「木曜日は〜僕に任せて〜♪(中略)木曜モッくん木曜の市♪」の歌。洗脳されそう。
非常口の誘導灯は文字だけの古いタイプがまだ残っていました。
2階へ行ってみましょう。
セール中でした。
2階の様子。非常階段も文字だけですね。柱の多い建物なので狭い雰囲気を出さないためか柱には鏡が付いていました。
フロア案内。かつては各館5階まで売り場があり屋上遊園地まであったようですが震災後から3階より上は閉鎖されています。
閉ざされた4階への通路。
ちなみに古いのでエスカレーターもエレベーターもありません。
西館から東館への渡り廊下。
東館は廊下が外になっています。この東館と西館の間(写真中央)は1階だと駐輪場になっていた部分です。
非常階段。
専門店街は閉店が近いためほとんど撤退していて寂しい感じです。昔はここに商店街のような感じでずらっと並んでいたのでしょう。
西館は3階が事務所になっているので入れません。柵がレトロ。
3階のご案内。ダイエーの不動産構造改革本部、西日本構造改革部、不動産事業本部、西日本開発部が入っているらしいです。
割と重要そうなのが入っているのはここがそれだけ重みのある店舗と言うことでしょうか。
歴史的にも重要な店舗だったのであえて閉店せずにずっと残っていたという噂も。しかしさすがに50年近い建物の老朽化には勝てなかったのでしょう。
従業員用のドアと店内放送用スピーカー。古そうです。
古そうな看板。このにこやかなおじさんは誰なんでしょうか^^ なぜか胸ポケットにオレンジのようなマークが。
調べたら
>1977年
というのが出てきました。これっぽいですね。下に店長ってありますし。
東館の案内。テープが痛々しいです…
密かに1階に「フクトク銀行」が残ってます。これが東館の核だったらしい「福徳相互銀行」の事のようです。
ちなみに福徳相互銀行は89年に福徳銀行、98年になみはや銀行、さらに2001年から大阪府内の店舗は近畿大阪銀行になってます。
最後に東館側から入り口の方を見てみます。右側は通り抜け出来るようになっていて自転車や歩行者が行き交っていました。
商店街の方に振り返って一枚。
商店街側まで完全に引くとこんな感じ。まっすぐ向こうまで突き抜けています。
庄内店の名前があったので撮ってみました。
何故か行列中の宝くじ売り場。
ここの名前だけダイエーのまま残っていました。
東館1階にはジーンズメイトが入っていました。ここも閉店予定です。
昔はここに福徳相互銀行が入っていたそうです。
西館側。ここにも入り口があります。
商店街のアーケードに掛かっていた看板。
閉店まで1ヶ月を切りました。47年間お疲れ様。
そして1月31日午後6時、その長い歴史に幕を下ろしたダイエーグルメシティ庄内店。
でもここで行われたショッピングセンターの実験結果は現在も他のダイエー、さらには全国の様々なショッピングセンターとして引き継がれています。
ここがその第一歩だったこと、そして中内功の小売業への思いは忘れません。2013年、新店舗でまた逢いましょう!
==店舗データ==
店舗正式名 |
庄内ショッパーズプラザ |
店舗番号 | 0030 |
所在地 | 大阪府豊中市庄内西町2-23-23 |
開店日 | 1964年4月5日 |
階数 | 地上5階(西館・東館の2館) |
店舗面積 | 5719平方メートル |
エレベーター | - |
営業時間 | 24時間営業 |
アクセス |
電車:阪急電鉄宝塚線「庄内駅」下車、西口より商店街を歩いて3分 |
レシート。
2012/1/6作成開始
2012/2/15追記
2012/3/16追記
2012/4/23追記を別ページに移動
2012/6/8文章ちょっと修正、レシート画像を追加
2012/8/7第2版、文章を全面修正
2012/8/14さらに修正
2012/10/27修正