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第一デパート

八王子としのぎを削って多摩地区の商業を争っている立川へやってきました。最近はどうも立川に軍配が上がっているみたいですが…

そごうが閉店してしまった八王子ですがまだデパートの残る立川。そんな立川といえば…

駅ビルに入居したルミネ!

駅前に移転したゴージャスな伊勢丹!

おもしろキャッチコピーでおなじみフロム中武(デパートから専門店ビルに業態転換)!

…ではなくて今回はこいつです。中央線ホームから見えたこのレトロな姿。

ここの存在は全く知らなかったのですがただ者ではなさそうな佇まい。

これは行かねばと予備知識も無しに立川駅を降りて真っ先に向かいました。

それは多摩都市モノレールの立川北駅の近くにあります。

これです。モノレールの線路が邪魔してきますが…

表から見ると広告塔には「DAIICHI」の文字。そう、これが今回紹介する「立川第一デパート」です。

ペデストリアンデッキを降りて近寄ったところ。壁がカッコいい第一デパートは1966年オープン。

64年にタンク車が炎上する事故があった跡地という何とも言えない場所に出来ました(幸い死者は出ていません)。

古めかしい縦看板。第一「デパート」の名がありますが実際にはデパートというより専門店ビルといった感じ。

オープン当初は80の専門店が入っていましたがテナントの入れ替わりも激しく現在はマニアックな書店や模型店などが入っているらしいです。

駅と離れた側から。ちなみにここの向かいにはかつて長崎屋があったとか。大昔に閉店していますが…

こっちの面は色褪せてました。

両端の部分だけガラスがはめ込まれたりしていて複雑な感じ。

隣にある建物もやけに古く、再開発の進む立川においてここの一角だけ時間が止まっているかのようでした。

そしてやっぱりこの壁ですよ。最近の薄っぺらい建物には出せないような重厚感。

ショーウインドウが並んでいる所を見るとデパートっぽい雰囲気もちょっとします。

同じパターンが並んだ壁はまさに60年〜70年代の商業施設建築。

入り口前。昭和。

角がカットされたようなガラス、天井にはやたらゴージャスな照明が。

金色の飾りがぶら下がったゴージャスな照明。残念ながら点灯していませんでしたが今でも夜になったら輝きだすんでしょうか。

金色のラインが入ったガラスの一番下には「第一デパート」の文字。

ちゃんと大規模小売店舗プレートがありました。この色を見て「忠実屋!?」と思ったのはダイエーの見過ぎでしょうか。

やたら狭い駐輪場。店の前のスペースなのですが場所が細いため縦に並べては置けずほとんど横置きに近くなります。

当"デパート"となっている事からも一応ここはデパートなんでしょうか。でも日本百貨店協会には加盟していないし全て専門店で構成されています。

入り口は駅に近い側と離れた側の2か所あります。

営業時間。

中の壁なんてタイル貼りです。

振り返ると電球の照明が輝くレトロな入り口。いったいなんなんだここは。

店内。1階にはチェーン店のカフェなんかも入っていて割と賑わっていました。

そして完全閉店売りつくしの文字。そう、ここ第一デパートは5月15日に閉店、取り壊して跡地に新しいビルを作る予定なのです。

上の階へ行こうとエスカレーターを探すとありました。1人乗りの丸ボディ。渋いですね。

ランディングプレートもかなり古いタイプ。三菱です。

地下は定休日だったため残念ながら行けませんでした。エスカレーターもシャッターが閉まってます。

そして2階からはなんとパネルボディの登場!これは予想外でした。

床材が貼られたランディングプレート。

味のあるエスカレーター。

駅前の一等地なのに全くといっていいほど人気が無いのでレアなパネルボディがじっくり見られます。何回も上ったり降りたりしてました。

エスカレーターに乗りながら上を見上げると並んだ電球の照明。

蛍光灯、さらにLEDが主流になった今どきのビルでは見られなくなってきた光景です。

6階建てですがエスカレーターは4階までしかありません。

で、これが4階フロアの様子。閉店が決まっているためかテナントも少なく寂しい感じ。

廃墟に潜入している感じというか何とも言えない荒廃感が…

立ち入り禁止の看板。よく見ると地下1階が休業時の看板を再利用しています。

窓から線路の方を見てみました。横を無機質なステンレスボディの中央線が駆け抜けて行きます。

階段。

踊り場には店内ご案内と催し物ご案内が設置されていました。

店内ご案内。かなりの数のテナントがすでに撤退しています。

トイレですら昭和の雰囲気が満載。「御化粧室」となっているのもそうですが…

ドアがこんなんです。木製のドアも×のような模様の曇りガラスも60年代。

踊り場にあった楕円形のショーケース(?)。

防災設備の案内。これからも分かるように細長い建物です。

コンセントはもちろんハイ連、そして手書きの「節電」がいい味を出しています。

こっちの店内ご案内(あえてフロアガイドとは書かない)は8角形。

スプリンクラー制御弁室のドア。なんで撮ったんだっけ…後から見返すとたまにこういう写真があるんですよね。

一番活気のある1階フロアにあった案内。こっちはフロア案内になっています。カラフル。

閉店のお知らせが上から貼られた 個室カラオケ宴会場 いま[5F] 味市場 黒潮 が面白い!の看板が哀愁を誘います。

なぜか真っ先にレーザーディスクのカラオケが思い浮かんできました。まだDAMとかJOYSOUNDとか影も形も無かった時代。

地下への階段。注目すべきは壁に埋め込まれた透明とオレンジのブロック。

非常口。

営業時間はよる7時30分まで。最近はとくに定休日は無く建物自体は年中無休、テナントによってそれぞれ休みがあります。

昔は本当のデパートみたいな一斉に定休・営業するスタイルだったんでしょうか。

エレベーター。

エスカレーターと同じく三菱です。この細いロゴはもしかして…と思ったのですが。

更新されてました。更新してから10年経ってないと思うんですがこれで取り壊しとかもったいないですね…部品の再利用とか出来るのでしょうか。

昔の面影を残す丸い換気扇。

エレベーター内にもフロア案内。ここだと定休日:第2、第3水曜日になっていますね。

ドアの上にあったエアコン。エアーカーテン的なやつでしょうか。

電球全開な照明。立川第一デパート、とても濃い空間でした。

閉店前にもう一回くらい来られるかな?と考えながら第一デパートを後にしました。

立川駅前に佇む昭和の空間、第一デパート。閉店後は周辺も含め取り壊して("周辺"は隣にあった古い家屋だと思います)住居兼商業施設のビルが建つようです。

場所はここ。案内板のこの表記も見納めになりますね…

→立川第一デパート・閉店一週間前の記録へ

==店舗データ==

店舗正式名

第一デパート

所在地 東京都立川市曙町2丁目2−25
開店日 1966年7月
階数 地上6階/地下1階
店舗面積 3053平方メートル
エレベーター/エスカレーター 三菱
営業時間 10時〜7時30分(一部専門店は異なる)
アクセス

電車:JR立川駅から徒歩3分くらい、多摩都市モノレール立川北駅から徒歩1分くらい

駐車場

あり(提携駐車場(パークアベニュー駐車場)、2000円以上お買い上げで1時間無料)

備考 2012年5月15日に閉店しました。

2012/5/4作成開始

2012/9/20修正

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