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昭和なスーパーめぐり番外編・日本橋高島屋

勝手に「東京の三大すごいデパート」だと思っているのが新宿の伊勢丹と日本橋三越、そして今回レポートをお届けする日本橋高島屋。

この3件は古い建物がそのまま残っていてどれも東京都の歴史的建造物に指定されていました。

そんな中2009年に日本橋高島屋は国の重要文化財に昇格。もちろんデパート初です。

重要文化財のデパートってどんなもんなのでしょうか。今回は写真多めでお送りします。

地下鉄にゆられて日本橋へ。「日本橋、高島屋前です」のアナウンスを聞いて駅を降りました。

もちろん地下から高島屋へは直結しています。

通り道の広告もすべて高島屋仕様に。

ここからそのまま高島屋に入れるのですが…例によってまず外観から見たいので一旦外に出ます。

全景です。日本橋高島屋などと呼ばれていますが正式名称は高島屋東京店。ちなみに高島屋の本店はここではなく大阪にあります。

1933年オープン、元々「日本生命館」という名前で日本生命のビルでした。今は高島屋が持っているようです。

高島屋自体は1900年にオープンしていたようですが増床のためか当初は賃貸という形でここに移転してきました。

建物は地上8階、地下2階。実は屋上駐車場があり西友横須賀店のような車ごと乗れるエレベーターで上がります。

反対側から。このメイン部分は高橋貞太郎という人による設計。

「西欧の歴史様式に日本的な要素を加味した高橋貞太郎による当初設計部分と、近代建築の手法を駆使した村野藤吾の設計による増築部分から成り立っており、その全体が一体不可分の建築作品として完成度が高く、わが国の百貨店建築を代表するものの一つ」

…だそうです。

見上げたアングル。やっぱりこの時代のデパートは凄いですね。

人々で賑わう正面入り口前。

赤い屋根や掲げられた旗、そして建物の装飾はヨーロッパあたりのデパートを思わせます。

縦の看板。

各入り口には重厚そうなプレートが取り付けられていました。残念ながら大規模小売店舗は発見出来ず。

縦向きのプレートも。

こっちは左側の入り口(だったはず)。

ここにもプレート。こっちは漢字表記です。

中に行きたい所ですが…とりあえず一周してからにしましょう。

送水口も金ぴかでゴージャス。

街灯には高島屋の看板が。

右の入り口周りは工事中でした。

角の部分もこんな調子。こういう補修によって綺麗に保たれているわけですね。

よく見ると隅々まで凝った意匠が施されています。

ちょっと隠れたプレート。

このまま右回りで建物の周りを一周してみましょう。しばらく歩くと少し建物が出っ張ります。ここから増築部分でしょうか。

ガラスブロックが目を引く増築部分はそごう東京店と同じ村野藤吾の設計。この増築部分も評価高いようです。

本館と新館を繋ぐ連絡通路が見えます。

新館の方に付いていた新しそうなプレート。

しかし長い歴史を感じさせる増築っぷりですね。それもそのはず、なんと4回に渡って増築を繰り返しています。

現在の姿になったのは1965年のこと。

後ろ姿。増築部分なので正面とは全く違った表情。このギャップは昭和なスーパー建築に近いものがあるような気がします。

その辺のスーパーと有名建築家の設計を同じにするな!という声が聞こえてきそうですが…すいません。

さらに進んで左側面まで来ました。そろそろ増築部分はおしまいです。

ここの入り口にもプレート。若干新しそう。

この辺りが境目でしょう。しかし複雑に入り組んでますね…

上写真手前の方に移っているベージュのタイル部分は事務館らしくこんなプレートが。

ここの組み合わさり具合は圧巻。増築の苦労が見て取れます。

正面まで戻ってきました。

凄さは全然違うんですが上が丸くなった窓の感じとかはこれまた60〜70年代のスーパー建築に通ずる物があるような気がします。

正面入り口。やっぱり凄いです。

正面入り口前の天井。ここは西洋風でありながら日本の建築様式も取り入れていてこの辺は寺社とかで見る天井に似ている気がします。

まさに和洋折衷といったところでしょうか。でも不自然な感じは全くなく、むしろよく調和しているのはさすが。

それではいよいよ重要文化財の中に入ります。ドアにも凝った意匠が。

初っ端から迎えてくれたのは吹き抜けた豪華な空間でした。もはや入場料とって見学でもいいような場所ですよこれ。

地下への階段から吹き抜けを見上げた図。ここが商業施設である事を忘れさせます。

うっとりしますね。いつまでもここに居たい気もしますが時間は限られているので屋上まで上がってみる事にしました。

エスカレーターで上を目指します。

エスカレーターは三菱製の丸ボディです。3箇所くらいあるうち1箇所だけ丸ボディでした。

上だけ光るタイプでおそらく60年代の設置と思われます。65年の増築時でしょうか。

ランディングプレート。何故か5階より下の方が新しく上に行くと古いです。

5階より下の方はこれより一世代後のタイプ(MITSUBISHIロゴが控えめで横縞模様のやつ)でした。

後は階段を上って屋上までラストスパートです。

屋上に到着!

屋上の様子。屋上庭園になっていました。

まさに都会のオアシスといった感じ。

正面に見えるのが階段やエレベーターがある店舗入り口。右側にはガーデニングショップがあります。

入り口のあった建物を超えると少し広い空間になっていました。ここは丁度増築部分の上です。

このでかいものは何だろう…と思いましたがどうも空調設備らしいです。

屋上も見たので今回の目的の一つでもあるエレベーターに乗りましょう。

実はここ、6基ある中央エレベーター全てでエレベーターガールのいる手動運転を行っているのです。

エレベーターホールの窓辺にはいすとテーブルが並べられています。なんか居心地がよくしばらくここで休憩してました。

エレベーターホールの天井。ここも日本的な意匠。

ガラスドアのエレベーター。

ドア上インジケータも凝っています。

矢印の形をした呼び出しボタン。

中に入ると金色の内扉が閉められます。なんともレトロ。

そして操作パネル。安心のOTIS製。そしてパネルが金です!輝いてます!かなりゴージャスなエレベーターでした。

今では数少ない手動運転をしているエレベーター。乗れて大満足。

しかし隅から隅まで見所だらけな日本橋高島屋。

トイレでさえ風格というか気品というか…なんかただ者ではない雰囲気。

階段の柵も凝ってるし。こういう細かいポイントを探してみるのも面白いかもしれません。

他にも見所が尽きないのですが今回はこの辺で…

おまけ。え?急にただの雑居ビルなんか出してきてどうしたんだと思うかもしれませんが…

なんと高島屋北別館でした。立派なプレート。どうりで高島屋の前でロッテリアがチラシ配ってたわけですね。

というか後から調べた情報でなんとここのロッテリアが1号店だという事が判明しました!まさかこんな所に、しかも現存してるとは。

ちなみにこの北別館は高島屋本館の左側面にあります。他にも第二2北別館、さらに反対側に南館という謎の施設もあるようです。多分事務所とかだろうと思われますが…

==店舗データ==

店舗正式名

株式会社高島屋東京店

所在地 東京都中央区日本橋2-4-1
開店日 1933年
階数 地下2階/地上8階/屋上(駐車場)
店舗面積                            50481平方メートル(本館)
エレベーター/エスカレーター OTIS/三菱(丸ボディ)
営業時間

10〜20時(レストラン街は21時30分まで)

アクセス

電車:東京メトロ銀座線/東西線 日本橋駅直結(B1出口)

都営地下鉄 浅草線 日本橋駅から徒歩4分

JR 東京駅八重洲北口から徒歩5分                      

駐車場

あり(2000円以上お買上げで90分無料、

さらに地下2階/新館6階レストラン街、新館4階特別食堂ご利用で+90分、合計3時間無料

その他提携駐車場有り

備考

手動運転エレベーターがあります。建物は重要文化財

2012/5/28作成開始

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