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特別企画4 日立・"エスカレーン"の謎を追え! 前編

約1年前に作った記事、ピアゴイセザキ店の謎を追え!に「連続ミステリーシリーズ第一弾(謎)」とか書いたのですが全然連続してませんでした。

このままじゃ本当に(謎)になりかねません。しかしここに来て新たなネタを発見したので第二弾といきます。

デパート・スーパーというよりそこにあるエスカレーターって感じですが…それでは連続ミステリーシリーズ第二弾の始まりです。

 

1、エスカレーンは突然に ←いちいち変なサブタイトルを付けて章ごとにまとめてあります。全6章。

全ての始まりはここ大丸ピーコック下北澤店(下北"沢"店ではないらしい)。一見するとごく普通の古いスーパーです。

そんな普通のスーパーにある普通の古いエスカレーター。時代を感じる階段の横に上りだけの設置。

おそらく70年代に設置されたんでしょう。これでも当時は珍しい存在だったと思われます。

全体像。何とも言えない渋い雰囲気を醸し出す古いパネル貼り(両脇がガラスじゃない)のエスカレーター。

レトロですね。なかなかいい収穫でした。

…とこれでは終わりません。おもむろに足下の銀色のプレート、「ランディングプレート」と呼ばれる部分を見てみました。

どこのエスカレーターも同じように階数表示とメーカーのロゴが入っています。これは2階、そして日立…

あれ?その横に何か書いてあります。

HITACHI…はそのままなのでいいとして問題はその横です。そうです。

ESCALANE。

突如目の前に現れた謎のエスカレーター(エスカレーン?)。果たしてこれの意味するものとは。

ここであるものを思い出しました。「謎の名前」の例は他にもあったのです。

それがこのエスカレーター。日立ではなくアメリカのOTIS製です。

OTIS ESCAL-AIRE。

でもこれの理由はわかっていました。

これはガラスのエスカレーターが出たばかりの頃、他社製品や従来のエスカレーターとの差別化をするため愛称を付けていたものらしいです。

どうも港区にある富士フイルム本社のESCAL-AIRE(エスカレーア)が産業技術資料になっているそうです。見に行きたいかも。

そんな前例があったのでこれもなにか愛称がつけられるような特別なエスカレーター…というのは予想出来ました。

見た感じはただの古いエスカレーターです。特に特別ななにかがあるようには見えません。

文明の利器・インターネットで調べても日立E形エスカレータ"エスカレーン"とその特長」という論文が存在しているという情報しかありませんでした。

わざわざ国会図書館に探しに行くのもなぁ…と半ばあきらめムードに。

その後も何度かエスカレーンを見かけました。どこのものも最初に見た大丸ピーコックのと同じ形です。

これはパネルがピンク色だったのが印象的な1基(←エスカレーターは「基」で数えるらしい)。

で、このエスカレーンがある店舗は決まって

・開店時期が古い(60~70年代)

・比較的小規模

・設置されているエスカレーンは必ず1人乗り

こんな感じの決まりがありました。うーん、でもこれ以上は資料が無いと何とも言えません。やっぱり国会図書館行くか?

…と思っていたら思わぬ急展開が待っていたのです。

 

2、新たなる謎

都内の某スーパーで見かけた1人乗りのエスカレーター。随分狭そうな所に設置されている1人乗りです。

古い、小規模、1人乗り、上りだけと上に挙げた要件は満たしていますが両脇はガラスです。

まあよく見る古めのエスカレーターだろうと思っていたのですが足下にある異変を感じました。

ん?HITACHIの横にあるのってもしかしてESCA…

CRYSTALANE。

なんですかそれ…新たな謎が出てきました。

 

3、謎が謎を呼ぶ

前回発見してしまったCRYSTALANE(多分「クリスタレーン」って読むんでしょう)。

しかしこのクリスタレーンが解決の糸口となりました。

「日立 クリスタレーン」で検索するとなんと当時の資料がヒットしたのです!

 

規格形透明エスカレータ "クリスタレーン"発売
日立製作所では,デパート・スーパーストアなどを対象として欄干内側板が透明の規格形エスカレータ"クリスタレーン”を発売した。
従来,スーパーストア向けの規格形エスカレータとして発売していたエスカレーンは、欄干板が不透明のパネルであったが、小売業界のマンモス化に伴ってエスカレータが重視され、デザインのデラックス化と店内を広く見せようという視覚的な効果から透明式エスカレータが要求されてきた。

日立製作所では、オーダ品種として好評を博しているEC-NN形透明エスカレータの実績をもとにして、製品合理化とオートメ化に
よって量産が実現し、経済的な規格形を発売することになったものである。

なかなか興味深いですが

…規格形って何?

 

4、そして解決へ…

結局真相究明とは行かず"規格形"という謎を残したままとなってしまったエスカレーン。

…ここである事に気がつきました。先ほどの資料のURLは"digital.hitachihyoron.com/〜略〜.pdf"。このhitachihyouronって?

こうして「日立評論」なるものの存在を知りました(遅い?)。

日立評論デジタルアーカイブというサイト(日立の公式です)で過去の資料(新製品ニュース、技術資料などなど)が閲覧出来るのです。

ここで「エスカレーン」と検索すると…

 

「日立E形エスカレータ“エスカレーン”とその特長」が見られた!

※↑のURLはpdfです。

 

 

→今、"エスカレーン"の全貌が解き明かされる!!(後編へ)

大袈裟?

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2012/10/7作成開始

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