SONY CDP-111(1983)修理編
久しぶりの更新となってしまいました。今回はCDプレーヤー黎明期のモデル、SONY CDP-111を取り上げます。
初のCDプレーヤーCDP-101の翌年、1983年発売。いわゆる「第二世代」にあたるプレーヤーですがCDP-101をベースとしていて大部分は共通となっています。
いわばCDP-101のフルサイズバージョン。しかし上位機のCDP-501ES(2万円くらいの差でリモコン、銅メッキシャーシなどが採用された111のグレードアップモデル)が同時に発売され、そちらの方が売れてしまったため陰に隠れてやたら数の少ない悲運のモデルです。
※CDP-101、CDP-501ESのトレイが開かない症状も今回の修理方法で対処出来ます。
ついに我が家もブルーレイデビュー…ではなくて古いCDプレーヤーです。
ヤフオクで「CDトレイ開かず」で1000円だったかで落札。ピックアップが死んでいるリスクもありましたが探してたレア機なので賭けてみることにしました。
姿を現したCDP-111。シルバーボディのCDプレーヤーってあまり数が少ないので新鮮です。
501ESでもよかったんですがわざわざ111を探していた理由でもあります。
動作チェック。案の定トレイが出てきませんでした。外装もくたびれ気味。
まぁ20年以上経ってるのでしょうがないでしょう。
とりあえずキャビネットを外して手でCDを入れて動作チェック。
どうも読み込もうと頑張っているみたいですがTOCより先に進めないようです…ピックアップは生きているっぽいので一安心。
上から見た図。メカ部分はCDP-101、CDP-501ESと共通です。
フルサイズになった分101より余裕がありますがそれでも黎明期のモデルらしく詰まってます。
トレイの不良を直すには裏側からアクセスする必要があります。
ん?…どうも91年1月に修理されたようですね。大事にされてたんでしょう。
底板を外しました。メカの裏側が見えます。
ゴムベルトが一切使われていないがっしりしたメカ。
しかしこの時期のソニー製品によくあるグリスの劣化によりギアが動かなくなってしまっています。
これはピックアップ駆動部分。トレイの開閉とは関係ありませんが音飛びや選曲、読み込み不良の原因はここのことが多いです。
中央にあったギアを外したところ。案の定グリスが固まっていました。
外したら古いグリスを取り除いて綺麗にします。先ほどの写真で外した中央のギアは2段になっているので注意。
これで元気に再生するようになりました。CD-Rも読み込みOK、ピックアップは調子いいようです。
こっちがトレイ駆動部分。やっぱり茶色く変色したグリスが付いてますね。
トレイ不良の原因はギアだけではなく主犯はさらに上に見える銀色の爪のような部品の軸の固着です。
CDP-101も同じだったのでほとんどの場合がそうだと思われます。
この爪もリングを外せば取れる(写真はリングを外した後)のですが酷く固まっていて外すのに一苦労。
軸に油をたらして少しずつひねりながら持ち上げると外れました。
ピックアップ。今となっては貴重なKSS-100A。いつまで持ってくれるか…
後は外したパーツを綺麗にしてグリスアップしたら修理完了!CDP-111、完全復活です。
CDP-101と重ねるとこんな感じ。幅が大きくなっています。
現在中古(ジャンク)で流通しているこの時期の機種はほとんどが同じような症状になっていると思われます。
ピックアップが死んでいるかは賭けになってしまいますが501ESあたりは出回っている数も多くCD黎明期のプレーヤーの音を気軽に体験出来るのでおすすめです。
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2012/7/7作成開始