SONY CDP-101(1982)
記念すべき日本初のCDプレーヤ。このプレーヤからCDの時代が始まりました。
定価は168000円と高価でしたがそれなりに売れたようです。
型番の「101」は二進数で5を表していてランク的には中級機ということです。
当時のカセットデッキなんかだとTC-K333ES/555ES/777ESとグレードが分かれていました。
正面から。
何故か幅はミニコンポサイズの約35cmです。オプションでウッドケースがあり、それに入れると通常サイズになりました。
この個体は「CDトレイ開かず」のジャンクでした。原因はこの頃のソニー製品によくあるグリスの固着。
分解して(残念ながら写真はありませんが中身はかなり詰まっててメンテ性は最悪でした)グリスアップして無事動作するように。
現在のCDプレーヤと並べても違和感のないトレイローディングです。
試作機はCDを垂直に入れるタイプでしたが急きょ変更したそうです。なかなか先見の明があります。
これによりCDを垂直に入れるタイプで発売を予定していた他メーカーはびっくりして各社2号機からはトレイ式に変更していました。
これが試作機です。この頃からミニコンポサイズですね…小型化へのこだわりでしょうか?
この試作機、外観がずんぐりしていたので「ゴロンタ」という愛称がついたらしいですがずんぐりしているのはこの幅のせいな気もします。
電源周り。カセットデッキからの流れかすでにタイマー再生に対応しています。
取出しボタンなど。「DIGITAL」ロゴが誇らしげです。取出しボタン左下のLEDはトレイ開閉中に赤く点滅します。
CDトレイ上(LINEAR SKATE〜と書いてある部分)は鏡。
操作&表示部。現在のCDプレーヤとあまり変わりありません。
「RESET」は停止(STOP)の事です。この名称より他のメーカーが使っていた「STOP」の方が浸透したためその後の機種からはしばらく「STOP(RESET)」と並記されていましたがすぐに「STOP」に統一されました。
サーチは2段階になっています。「<<<」とか「>>>」は他の機種ではあまり見ませんね。
スキップボタン下の「AUTOMATIC MUSIC SENSOR」と書かれた部分は本来は青ですが変色しやすいようです。
既に1曲・全曲・A-Bリピートまで装備。右上のリモコンセンサー隣の「RECEIVED」のLEDはリモコンからの信号受信時に赤く光ります。
残り時間表示に切り替えるとこんな感じです。選曲中にはトラック番号の右上に赤く「SCAN」の文字が点灯します。
スイッチは普通の押し込む物ではなくタッチ式のような感じで軽く触れただけで反応します。なんか変な感じ。
上から。フロントパネルに見える○は前オーナーが何かを重ねていたようでその際についたものです。
後ろに出っ張った放熱板とトランスが特徴。
こんなシールも貼ってありました。よほど熱をもつようです。
側面。カバーは下から止まっているので側面にねじはありません。
背面。もともと幅が狭いこともあってかなり混雑。
出力端子など。この機種特有のスイッチが見られます。
自動一時停止は一曲再生ごとに一時停止します。カラオケなどに使うようです。
アンチショックはONにすると振動に対して強くなります。ただディスクの傷には弱くなるので振動が無い場合はOFFにします。
シンクロ出力は同時期のソニーのカセットデッキとリンクする物のようです。
一番上には結局使うことのないアクセサリーコネクター。ライン出力は金メッキ。
それぞれの端子に英語表記も併記されているのも特徴。
トランスに貼られた出力のスペック。誇らしげです。
電源部。サービスコンセントまであります。ちなみにコードは太め。
裏面。左右にはカバーを止めているねじが見えます。
裏面にはこんなスイッチが。リモコンの信号を受信した際に「ピッ」となる音をON/OFF出来ます。
トランス自体のスペック。
内部。かなり詰まってます。
ピックアップ。型番はKSS-100A。
銘板。同時期の他のソニー製品と共通です。
*おまけ 製造ロットによる外観の違い
CDP-101は製造期間がかなり長かったため生産途中で外観に若干の変更があります。
1.リモコン受信部の「IR」マーク
リモコン対応のソニー製品には必ずと言っていいほど付いているIRマーク。
「Infra Red」(日本語で赤外線)の略だそうです。ちょうどこのマークが付けられたのがCDP-101販売途中だったようで変更がされています。
左:初〜中期ロット 右:後期ロット
CDP-101/CDP-701ES用のリモコン(別売り)RM-101にもこのIRマークがあるものと無いものがあります。
2.「DISC SET」ランプ
ソニーのCDプレーヤにはたいてい付いていた「DISC」の表示。CDが入っていると点灯します。
これが初期ロットでは文字ではなくただの「●」でした。
左:初期ロット 右:中〜後期ロット
確認できている限りでは
A:「IRマークなし+●」(初期)
B:「IRマークなし+DISC」(中期)
C:「IRマークあり+DISC」(後期)
の3種類があります。
中古などでよく出回っている(一番生産時期が長かった?)のはCのタイプです。
内部まで違うのかは全種類持っていないので未確認です…
この機体は2010/12月に某TV番組で使用するため貸し出されました。現在はうちで元気に動いています。
2009/2/18作成開始
2011/1/20少し更新
2011/3/16さらに更新