TOSHIBA RD-Z1(2005)修理編
RD-XD92Dの修理に気をよくしてしまい…なんとなく当時のDVDレコーダーを調べていると、こんな機種があったのを思い出しました。
XD92Dの前年、東芝初の地デジ対応レコーダーとして登場したRD-Z1です。
その重厚なフォルムと物量投入された中身に、「バブルデッキの再来!?」と胸を踊らせたものでした。
しかし、20万円超とお値段もバブリー。気軽に買える代物ではありません。
しかし、そこそこ売れたのか中古ではたまに流れてくるこの機種。
しかも当時の10分1以下で…ヤフオクで通電確認済みだかを1000円でゲット。
アルミの削り出しなインシュレーター。
これだけでも1000円の価値がありそうです。
動作を確認したところHDD、DVDともに動いていますがアナログ映像が出ません。
アナログ出力関連のトラブルはこの機種で多いらしく、持病のようです。
(色がおかしい、乱れる、映らないなど)
とりあえず分解してみましょう。この機種は制御系基板の載った2階部分の下にHDDなどの載った1階部分があり、分解はかなり面倒な構造です。
まずはフロントパネルを取り外します。
固定は裏側のねじのみですが、ごつい筐体のわりに樹脂がやたら脆いので、割らないように注意。
フロントパネルと本体側の固定はコネクタ接続なので、分離は容易。
続いて、背面パネルに固定されているねじを全て外します。
背面は東芝のフラッグシップらしくステンレス製です。
前と後ろの固定が外れたら、後は2階部分のねじを外し、上下を繋いでいるコネクタ類を全て外せば2階が持ち上がります。
この1階部分にはHDD/ドライブの他に電源基板と映像サブ基板が。
とりあえず、映像サブ基板を疑って外してみます。
が、怪しい感じはせず。このままではらちがあかなそうです。
…そこで、禁断の2台目登場。700円でした。
2台目はFL管が表示しませんがアナログ出力は正常。
ちょうどいいので、これと基板を入れ換えてテストしてみます。
まずはサブ基板を入れ換えてテスト。ちゃんと出力されてます。
続いて、AVメイン基板を入れかえ。まさかのアナログ出力は正常。
となると、犯人はこっちのようです。
映像処理に関係しそうなあたりに、怪しいコンデンサが。
交換してみました。すると、デジタルチューナー出力が復活!
あとは設定を初期化してみると…
おお!
ちゃんと出てます!
あとは再セットアップして、ジャンクなRD-Z1が甦りました。
彫りが深くてカッコいいデザインです。
開発コードネームは「フリーダム」。筐体から完全に新規設計ということで、かなり手間がかかった機種です。
重量も10.8kgと、未だに歴代東芝レコーダーで2位を保っています。
(1位はRD-A1ですが、あれは例外でしょう)
写真だとやたらどぎつく撮れてますが…
地デジ受信時は、イルミネーションがほんのり青く光ります。
1000円ジャンクがコンデンサだけで復活したので大満足ですね。
ん?…どうも後ろから視線を感じます。
表示不良の2台目が、恨めしそうにしていました。
この「表示しない」もRD-Z1でよく見かける持病のようなので、探ってみましょう。
とりあえず、フロントパネルを外して基板を見てみます。
怪しいのはこのコンデンサあたりでしょうか。
…ここで、せっかく2台あるので楽をして、表示が正常な1号機とパネルを入れかえてみます。
…薄いですが辛うじて点灯しました。本体ではなくフロントパネル側が原因のようです。
例のコンデンサは交換してみましたが変わらず。FL自体の劣化なんでしょうかね?
そしてその逆、2号機本体に1号機のパネルをつけてみると、やはり点灯しません。
どうも、2号機の本体にも異常がありそうなので、電源基板を摘出します。
画像すっ飛ばしてますが、1号機と同じく前後パネルを外し、コネクタ抜いて…とかなり大がかりな分解です。
FLへの供給周りをチェックしてみると、22Ωの抵抗が怪しいようです。
これを交換したところ、表示するようになりました。
ただ、薄い問題はそのままなので、こんな感じです。
実物は写真以上に解読は出来るレベルなので、無いよりはましでしょう。
ちなみに、オーディオDACは高級単品機にも使われるアナログ・デバイセズ製のAD1955Aで、CD再生もなかなかの高音質です。1000円とは思えぬ音を出します。
2号機もHDDとドライブは正常でした。
これにて、ひとまず復活です。
さすがに2台重ねだと凄い迫力です。
もう、こんなレコーダーが出ることはないんですかね。
しばらく、かつてのフラッグシップを楽しんでみましょう。
2020/11/19作成開始
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