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SONY SLV-7(1988)修理編

長らくβ陣営を率い、戦ってきたソニーが出した初のVHS機です。

本機種SLV-7と、再生専用のSLV-P3が最初のラインナップでした。

「ソニーの初VHS」はどんなもんなのか、見てみることにしましょう。

なんと、今回の個体は送料のみで譲っていただきました。

「再生はできるけど送り戻し不良」とのことです。

サイドウッドの付いたデザインは、VHSになってもIt's a Sony。 

ちなみに幅はミニコンポサイズで奥行きもそこまでなく、かなりコンパクトです。

編集に使える「エディットモニター」機能が売りでした。

VHSを買っても、編集用にHi8やβも使ってねという思いでしょうか。

再生は出来ましたが、送り戻しでカウンターが動きません…早速分解です。

カバーがかなり薄型でした。どうりでサイドウッドのネジが上に寄ってるわけです。

筐体がコンパクトなので、みっしりと詰まっています。

ソニー初号機のVHSメカ…ですが、どこかで見覚えが。

裏面の方が分かりやすいでしょうか。

こっちは日立 VT-Z70のメカ…そうです。日立製です。

自社開発メカを搭載するのは後のSLV-757/656/555から。

それより前のSLV-P3/7/5/F6は日立からメカの供給を受けていました。

とりあえず、キャプスタンの軸が錆びていたりするので清掃から。

そこそこ綺麗に。

続いて、カウンターの不良ですが…

コントロールトラックにテープを引っ張るアームが動いてませんね。

固着しているようなので、Oリングを外してアームを引き抜きます。

ばねが付いているので注意。

外したアームです。グリスアップしておきます。

これで動きはスムーズになったのですが動作せず。

そもそも、動力が伝わっていない感じです。

日立メカなので、ちゃんと動いているVT-Z70を参考にしてみます。

…アーム下、白いカムのような部品についているはずのピンが無くなっているようです。

引っ掛かりがあれば良さそうなので、適当にねじをはめてみました…

が、ちょうどこの部分、真上にテープがくるので高さがあると突っかかります。

頭の薄いねじを裏から嵌め込み、長さ合わせでカットしてみることに。

いい感じにアームが引っ掛かりました。

動作チェックしてみます。テープ挿入時も問題なさそう。

送り戻しモードに入ると、カムを介してアームがテープを引き出します。

ちなみに、ヘッドが見慣れない感じですが、これも日立製らしいとのこと…

SLV-F6はソニー製と日立製が混在しているそうです。

カウンターもちゃんと動作しています。

あ、裏面モーター横のコンデンサは問答無用で交換ですね。

かなり噴いてましたが、幸いパターン断線までは至っていませんでした。

再生もOK。

表示部の清掃も忘れずに。

フロントパネルの固定にねじが1本も無くて驚きました。

常時表示されている時計の周辺だけとくに煤けていました。

最後に、サイドウッドも取り付けて完成です!

日立メカにソニーの回路という不思議な機種ですが、

日立機のコンデンサ漏れも、ソニー機のギア割れもないので地味に理想の組み合わせかも…? 

ミニコンポサイズですが、ソニーらしい貫禄があってカッコいいデザインです。

画質もしっかりしていて、メカはOEMでもソニー初号機に恥じないものでした。

2020/11/16作成開始

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