National NV-800(1983)
ついに手元にやってきました。ビクターHR-D725よりも先に出ていた、"真のHi-Fi初号機"です。
ただし、フライングで発売されたらしく、ノイズリダクションにはカセットデッキでお馴染みのdbxを採用。
正式に制定されたVHS Hi-Fi規格ではdbxの特許回避のため方式が変更されたため、dbx搭載はこれとNV-850HDだけの仕様です。
一応、この機種で録画したテープは後の機種でもステレオで再生出来ました。
ベースは前年発売の高級機NV-750で、外観はほとんど同じです。
初号機の宿命か定価は28万円もしましたが、Hi-Fi以外はほほNV-750そのまま。レベルメーターや録音レベルの調整もありません。
すぐ後に出たHR-D725がかなりオーディオライクで、さらに松下でもNV-850HDが出たのでこれを買った人は悔しかったのではないでしょうか…
といってもNV-750はHi-Fi前夜の高級モデルなので、このNV-800も機能は豊富です。
ヘッドは特殊再生対応のGT4で、GS4のNV-850HDに対してアドバンテージでした。
各ボタンはアイコンが光ります。アフレコ、インサートも装備。
NV-800と750最大の特徴?可変速スローと逆再生。
液晶カウンターが時計とは別についてます。
なんと、テープ残量表示も可能。
時計表示はここにあります。常時表示の宿命か、NV-1000HDなどと同様経年で暗くなりやすいようです。
チャンネル選択は時代を感じる12個のプッシュボタン。
このあたりがNV-750との外観上の相違でしょうか。
まだHi-Fiの名前が正式に出ていなかったので松下は"HDサウンド"と呼んでいました。
HDロゴのシールが意味深です。NV-750にあった穴を隠しているとかでは無さそうですし…
ふたの中。ゴツいカメラ端子に時代を感じます。電源供給もするやつですね。
左右独立のマイク端子も装備。予約周りはその後のxxxHD系とほとんど変わりません。
ひっそりdbxロゴ。
当時、松下はTechnicsのカセットデッキでもdbxを積極的に展開していました。
トップパネルの販促シール。誇らしげです。
Hi-Fi時代の幕開けはこの機種からでした。
まだまだプロトタイプ感が強いですが、ビデオの歴史を語る上で重要な1台です。
しかし、見切り発車で製品化するとは松下、チャレンジャーですね…
当時のカタログです。クリックでpdfが開きます。
2020/9/19作成開始