National NV-850HD(1983)
NV-800が手元に来たので、これで…と思ったのですが、1つ引っ掛かっている機種がありました。
NV-850HDです。NV-800に続く松下Hi-Fiの第2弾。
一度入手したものの調子が悪く、既に手放してしまっていたのでした…
が、ハードオフで見つけてしまったのです。しかも300円。
数年ぶりの再会。当時と同じシルバーです。
「VHS排出される」とのことですがいかに。
電源はOK。ですが、音は出ず、レベルメーターが変に振れたまま動きません。
…嫌な予感。
とりあえず開けてみました。
ここのメンテは必須でしょう。
アイドラが滑る状態で再生させると、ほぼ100%テープが絡まります。
案の定外れているテンションバンド。
メンテのためにフロントパネルとカセコンを外します。
裏側にまわります。
この世代、ベルトは丈夫ですね。
ちなみに、NV-800のメカはこんな感じ。結構違います。
で…コンデンサが…腐ってます。
フロントパネルを外します。配線の取り回しに注意。
これで、メイン基板を起こすことができます。
その前に、正面の操作部基板をチェックすると…
C7、C9の足元が怪しく黒いです。噴いてました。
この黒い松下製コンデンサはほとんどアウトのようです。
メーターの裏にもいました。
ここを交換して、レベルメーターの変な振れはおさまるように。
で、メイン基板をチェック。
他の機器でもよくやられている松下の薄紫コンデンサ。例によってアウト。
それ以上に、黒いやつが大量に使われており、もれなく死んでいます。
松下機でここまで大変なのはこの機種くらいでしょう…現存している850HDのほとんどがこの状況と思われます。
ほぼ全交換コースですね。
以前の個体が調子悪かった(Hi-Fi音声出ず)のもコンデンサが原因でしょう。
上側からも攻めていきます。
タイマー基板を外すと、下にあるのは音声基板。
2枚構成です。
黒いコンデンサはやっぱり全滅。
こんな調子です。
これでも一部。
で、交換して電源を入れたところ…
何故かメカが暴走!ヒューズが飛んでそのまま帰らぬ人に。
しばらくショックで放置していたのですが…
懲りずにブラックモデルを入手。
リモコン付きで1500円程度だったのですが…テープ挿入口のふたがありません。
しかも、カバーのねじが金色…
しまいには、この衝撃的なヘッド。
半分外にでも放置されてたんでしょうか。
しかし、幸いにも電源は入ったので、部品取りにはなりそうです。
にしても、配線の多いデッキです。
どうやって組み立ててたんでしょう…
いろいろ調べていると、ここの「サブ音声回路」を入れ換えると正常に電源が入るのを確認。
しかし、部品取り機の基板もコンデンサは漏れているので、ビビりながら交換。
DBXのチップがありました。NV-800と違って大々的にはdbxを謳っていない850HDですが、やはりdbxでした。
おお、ついに映像が!
組み立てて確認。いつものタイタニックを綺麗に再生しています。
音も左右出てます。元気にレベルメーターの振れる850HDを見るのは初めてです…
ブラックモデルの程度の悪さにはビックリしましたが…
ついでにリモコンもゲットでき、無駄にはならなかった?
おまけ。せっかくなので黒とシルバーを比べてみましょう。
まず、何故かブラックモデルはふたがスモークがかった半透明のアクリルになっています。
表記類は内外含めてシルバーは日本語、ブラックは英語。
販促シールも…
ブラックモデルは英語。徹底してます。
そして、極めつけは…
なんとFL管まで造りわけていました。凄い時代です…
2020/9/29作成開始
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