日立 VT-Z70(1987)修理編
「日立のマスタックスには手を出すな」…とジャンクビデオデッキ界では長らく言われていました。
どうも基板のコンデンサが大量死しているらしく、高確率で基板まで腐っているというのです。
修理サイト全盛時代でも、確かに日立機の修理記事を見なかった気がするのですが…
ふと寄ったハードオフで見つけてしまったのです。
2000円は普段ならスルーですが、VT-Z70は日立のS-VHS初号機で当時のフラッグシップ機。
しかも裏みるとリモコン付きだし…どうしましょう。
…前にヤフオクに出ていたボロボロの同型ジャンクが3000円まで上がっていたのを目撃していたのもあり、お迎えしてしまいました。
症状はお品書きの通り、電源を入れるとモーターが唸って切れます。
裏面パネルの足を固定している金具が別ピースで不思議な感じでした。
パネルを外すと、へろへろのベルトが。
メカはVT-1800とかの頃の旧態依然としたゴムベルトだらけのメカから進化しました。
コンデンサもだめですね。基板まで腐食寸前でした。
これでとりあえずメカ動作"は"OK。
しかし、右チャンネルの音は出ず映像はブルーバック。
…腐ってますね。
何ヵ所もこんな調子です。
とりあえず該当箇所のコンデンサをひたすら交換。
どうも、これでもこの個体はまだ軽症なようです。
映像基板の下にあるのはデジタル処理系でしょうか。
映像基板取り外しの際はアースに注意。
ニチコンの青いやつが集中的に腐っていました。
他メーカーの機種ではここまでのは見ない気がするので、日立特注品?
とりあえず右チャンネルの音はそれなりに出るようになりましたが…
映像が、白っぽいときに横に流れるように乱れます。
写真だと分かりにくいですが、左のグレーの人の目の辺りの高さで乱れています。
切れたパターンの見直しと、調整を繰り返してなんとか見られるように。
これくらいが限界でしょうか…
腐食具合はましなほうだったようですが、なかなか骨の折れる修理でした。
「マスタックスには手を出すな」…確かに、もうこりごりです。
2020/9/27作成開始