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ダイエー所沢店

埼玉県所沢市から、伝説?のダイエー所沢店です。

西武の本拠地・所沢への出店はとても壮絶なもので「所沢戦争」と言われるほどの長い争いがありました。

以下簡単に経緯をまとめてあります。

1973年、所沢駅前の再開発構想が始まりました。

ここで当然再開発につきものの大型スーパーの誘致が必要となります。

まず所沢が地元である西武グループ(当時はすでに鉄道から独立して西武流通グループ)のスーパー、西友に出店を依頼。

しかし西友は既に駅前に所沢駅前店(68年オープン)を出店していたため断ってしまいます。

西友に誘致を断られてしまった商店街側は当時最も元気だったダイエーに出店を依頼。

近辺に店舗を持っていなかったダイエーにはいいチャンス。これを承諾し出店が決定しました。

これを聞いた西友は驚きます。近所、しかも西武の本拠地にでかいダイエーが出来てしまえばたまったもんじゃありません。大ピンチ。

こうして西武グループ総出でダイエーの進出阻止計画が始まったのです。

74年10月9日、土地を持っていた東栄の社長宅に西武不動産と西友の役員が訪れダイエーの土地を売ってもらうよう交渉します。

しかし既に出店が決定していたため10月30日、土地の買収を断念。

これで事態は終息…しませんでした。

74年、西武の関連企業がダイエー出店予定地の中にあった土地と建物を買収したのです。

この建物は西友の関連会社の寮として使用が始まりました。困ったダイエー。

このままいけばダイエーはこの寮を避けるような不自然な設計の建物を作らなければなりません。

核テナントが誘致出来ず困った商店街も西友に土地を売るよう交渉しますが西友は断ります。

そんな問題を抱えつつ、ついに再開発ビルである東栄ビルは建設を開始しました。

1981年 東栄ビル竣工、ダイエー所沢店開業。

不自然な建物のままビルは完成。ダイエーはオープンしました。

西武側はオープン広告を西武鉄道の車内に掲載するのを断るなど最後まで抵抗を続けました。

竣工式にはダイエー社長の中内功、そしてなんと西武の堤義明が招かれたといいます。

嫌がらせととられても仕方ないような抵抗を続けた西武グループですが87年、遂に例の土地を東栄に譲渡します。

これを受けてダイエーは88年に増床工事を開始。こうして長い所沢戦争は終焉しました。

81年の竣工式で中内さんは「野球は西武 買い物はダイエー」で締めくくったそうです。

後に球団を持つ事となったダイエーですがここ所沢店ではホークスではなく地元であるライオンズの優勝セールを行っていました。

逆にホークスが優勝した時には商店街がライオンズではなくホークスの優勝を祝うなど密接した関係が続いています。

所沢戦争の流れはこんな感じ。とても長い争いでダイエーはオープンを当初の予定から2年延期せざるを得ませんでした。

最後にエレベーター。日立です。外観からもわかるようにガラス張りです。

車いす用操作パネル。

7階建て、屋上駐車場があります。

昔の「ダイエー」ロゴが残ってました。

かつてこの地で行われた壮絶な競争。表からは見えない所でいろんな事が起きてるんですね…

そんなことは全く感じさせないゴージャスな建物でした。全面タイル貼りの外装は圧巻です。

激しい歴史をもった所沢店。一度閉鎖が噂されるも周囲の要請により閉鎖は免れ現在も営業を続けています。

==店舗データ==

店舗正式名 東栄ビル
店舗番号 0351
所在地 埼玉県所沢市東町5-22
開店日 1981年11月26日(88年9月増床)
階数

地下1階、地上7階、屋上駐車場

店舗面積 24497平方メートル
エレベーター/エスカレーター 日立
営業時間

B1F:9時〜22時

1F:9時〜21時

2〜7F:10〜21時

アクセス

電車:西武鉄道 所沢駅から徒歩5分くらい             

駐車場 あり(535台、2000円以上お買い上げで3無料)
備考

所沢戦争の舞台になった店舗

2012/10/25作成開始

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