MITSUBISHI HV-S100(1990)
ビデオデッキ修理が活発だったころ、松下と並んで評価の高かった三菱。
バブル時代の全盛期も、かなり気合いの入ったモデルを各種リリースしマニア受けもよく気になる存在でした。
そんな中、特に目をつけていたのが薄型のHV-S85/S95/S100のシリーズ。
パナソニックNV-FS70に似つつもカッコいいデザインで存在感がありました。
…と、頭の片隅にはあったのですが中々縁がなく、気づけば地デジになり、HDDレコーダー全盛の時代。
すっかりそんなことも忘れかけていたのですが…
ふと寄ったハードオフにて見つけてしまいました。それもなんと最上位のS100です。
しかも300円。とりあえず捕獲です。
通電×とのことですが、最悪部品取りでも安いですね。
確かに電源すら無反応なのでオープン。
この頃のデッキ、特に三菱のこのシリーズは電源が弱いようです。
電源部を取り出してみましょう。
基板を起こします。アース線に注意。
フレキケーブルが電源に繋がっています。
摘出です。
これは…凄いことになってます。
放熱板を外すと、惨状が広がっていました。
主犯は大きな3つのコンデンサで、周囲のダイオードやら抵抗やらトランジスタやらが巻き添えをくらってます。
とりあえず、いったん部品を外して基板を洗浄です。
うーん、燃えなくてよかった。
今回の戦犯です。緑のは巻き添え。
このルビコンYK、バブル機についてるやつはほぼ100%死んでいるようです。
なんと、これでもコンデンサを替えて部品を戻したら電源入りました。
ただ、表示がめちゃくちゃ薄いです。写真だと写ってますがほぼ見えません。
とりあえず、動きそうなのでHICのコンデンサを交換。22μFです。
これで映像はばっちり。
しかし、やっぱり薄い表示部が気になります。
部品取りにならないかとHV-S95をゲットしてみました。
しかし、これは程度が良すぎたので結局単体修理。
その後、懲りずにもう1台、外装ボロボロのS95をゲット。
電源部もまだそこまでひどくありませんでした。
ルビコンYKではなくニチコンVRでした。明暗の分かれ目でしょうか。
S100の電源とは微妙に造りがが違うので、使えそうな部品だけかたっぱしからS100の電源基板に移植。
でかいのは少し液漏れしてましたが、基板は綺麗なもので他の部品も大丈夫そう。
これで電源を入れたところ、表示部が蘇りました。
どうも素子がだめになっていたようです。
表示管自体は弱っていなかったようで、上のS95より明るいくらい。
ツインサーボメカは動きも俊敏で快適ですね。
2020/10/12作成開始
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