トップページ別館>銀座TSビル

銀座TSビル・モザイク銀座阪急

東宝ツインタワービルからビックカメラ有楽町店とまわり次にやってきたのは銀座TSビル。

モザイク銀座阪急という阪急百貨店が運営する専門店ビルが入っています。

これはもとをたどると「数寄屋橋阪急」で1956年開業。2004年に現在の専門店スタイルに業態変更しました。

なんでわざわざこんな所に来たのかというとここ、2012年8月を持って閉店が決まってしまったのです。その後はどうも解体されるようです。

このビル、現在は「銀座TSビル」という名前ですがかつては「銀座東芝ビル」でその名の通り東芝の所有物でした。

※2012/8/31で閉店してしまいました…

1934年竣工、当時は「マツダビルディング」という名前で東京電気(後に芝浦製作所と合併して東京芝浦電機→東芝)が入居。

一時期東芝の本社があったことも。その後も84年に今の本社が出来るまで一部が使われていました。そんな東芝の歴史が詰まったビルでもあります。

後の改修でだいぶ外観が変わってしまいましたがかつてはいかにも昭和初期といった感じのモダンな外観でした。

昔の写真や詳しい歴史はここ(ウェブアーカイブです)に詳しく載ってます。実は凄いビルなんですね。

1966年に増築されたようです。側面が左側の方で1段出っ張ったようになってますがここが増築部分でしょうか。

側面。多分この辺りは増築部分と思われます。

今「東日本復興応援プロジェクト」と書かれている部分にちょっと前まではでかく「TOSHIBA」の文字がありました。

後ろ姿。四角いです。奥の方が1段凹んでいるのが分かります。

阪急は1956年からこのビルのテナントとして入居しています。

フロア案内。5階が空いてます。これより上の階はオフィスビルになってるみたいです。

エレベーターからチェック。

東芝ビルだったせいかばっちり東芝製。銀座の百貨店ビルということで金色パネルで豪華な感じです。

19名1250KGと中途半端なサイズですね。80年代中盤〜終わり頃に更新された感じでしょうか。

反対側にあるサブの操作パネル。

パネルに組み込まれたインターホンではなく「非常電話」なあたりが古そうな感じです。更新前の面影はこれくらいでしょうか。

車いす用操作パネル。これにはインターホンがついています。

反対側にも。デジタルの階数表示があったり網があったりするのでこっちが親機(?)ですね。

ドア上インジケータ。ビル自体は8階建てで屋上もあるみたいです。

両端にはこんな電球の照明もありました。

天井。換気扇がむき出しになっていなかったり間接照明になっているあたりがデパートっぽいです。

店内へ。えらくレトロな非常ベルがありました。このビルの歴史の長さを感じる物品の一つ。

なんで撮ったのか謎なのですが^^多分フォントがレトロな感じなので撮ったのでしょう。

で、ドレンチャー手動起動装置。…ってなんなんでしょうか。

調べてみたら「建物外周部からの火災の場合に、建物への延焼を防ぐため、軒先や開口部などから水を出して建物全体を水幕で包む防火装置の一種。」らしいです。

そしてエスカレーター登場。エスカレーターの元祖・オーチス製。しかも丸ボディ!これは貴重です!

古い機種らしく厚ぼったいのが素敵。このエスカレーターは1966年の増築の際に設置されたようで以来40年以上頑張っています。

ランディングプレート。

「エスカレーター」というのは元々固有名詞でこの商標を持っていたのはオーチスでした。1950年に商標を放棄して一般的に使えるようになり一般名詞化。

ここにわざわざ「ESCALATOR」と書かれているところに「エスカレーターの元祖はうちだぞ」というオーチスのプライドというかこだわりというかそんなものを感じました。

+と-を組み合わせたような模様も面白いですね。実物を見れて感激です。

全景。堂々とした風格が感じられます。金色のボディがゴージャスですね。ステップは交換されているようです。

両脇のガラスは最初と最後だけ乳白色で中央は透明の組み合わせタイプ。レトロでいい雰囲気のエスカレーターです。

節電のせいか電気がついていませんでしたが本来は両脇が光ります。カッコいいですね。

電球色の照明もいい雰囲気。無意味に何回も上ったり降りたりしました…

ちゃんと上下あります。デパート時代からの名残りで注意の放送が「ベビーカーでのお乗りは危のうございますので」と独特の言い回しになっているのも特徴ポイント。

こいつも8月までの命なのでしょうか…エレベーターやエスカレーターは場所をとるため保存が難しく古い機種は消えていく一方。

個人で持てるわけも無いのでせめて写真を撮ってこんなのもあったんだというのを残せればと思います。

阪急を出てオフィス側(?)の増築部分と思われる方に来てみました。こんな感じで向こうまで抜けられます。

阪急とオフィスを繋ぐエスカレーター。

こっちは自社物件らしくばっちり東芝です。ちょっと古い1世代前の横に長いロゴ。

天井が無駄にゴージャスでした。

出てきたところ。「GINZA PALMY」と名前がついている(?)ようです。

こっちにもエレベーターが。向かい合わせに3基ずつ、合計6基あるようですが片側の3基は塞がれていました。

操作ボタンが独特です。まわりに6つのエレベーターの状態が表示されます。写真だと4号機が下向きで到着したのを表示してます。

操作パネル。もちろん東芝。

13名900KG。なんかここがすっきりしてるなと思ったらインターホンが無いからですね。こっちも非常電話が付いてます。

ここもエスカレーターと同じ1世代前のロゴでした。阪急側にあった金色のエレベーターより古いようです。

階数ボタンは四角いですが数字のフォントが古そう。

サブの操作パネルも付いてます。

車いす用操作盤。非常電話とからめてどうぞ。

ドア上インジケータはデジタル表示でした。当時の東芝のフラグシップ機ですかね。

で、ビルを出ると何やら張り紙が…解体のお知らせか!?と思ったら地震への対応についてでした。

レアなエスカレーターと東芝の歴史が詰まったこのビル、解体されるのは惜しいですがこれも時代の流れでしょう…みなさんも銀座に来た際は閉店前に一度訪れてみては?

しかしここに来て「昭和」の遺産が次々に消えていっているような気がします。

今度はそんな消えそうな昭和の遺産の1つ、屋上遊園地の残る松坂屋方面へと向かいます。

→NEXT 松坂屋銀座店へ

←BACK ビックカメラ有楽町店(旧そごう東京店)へ

==店舗データ==

建物正式名

銀座TSビル

所在地 東京都中央区銀座5-2-1
開店日 1956年(数寄屋橋阪急、ビル竣工は1934年)
階数 地上8階/屋上(売り場フロアは4階まで)
店舗面積 7025平方メートル
エレベーター/エスカレーター 東芝/オーチス(一部東芝)
営業時間

10時30分〜21時

アクセス

電車:東京メトロ丸ノ内線・日比谷線・銀座線・銀座駅C2/C3出口、 JR有楽町駅下車徒歩3分             

駐車場

西銀座駐車場の10%OFF割引券あり

備考

元数寄屋橋阪急

ビル名称:マツダビルディング→銀座東芝ビル→銀座TSビル

1966年に改築、増床

2012/2/2作成開始

戻る

inserted by FC2 system